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2022.06.09

withコロナにおける鍼灸の役割と可能性

私が今年3月まで勤務していた東京大学医学部附属病院では、COVID-19の感染制御に携わる医療スタッフのための『鍼・灸ケア』を行ってきました。目的は、感染制御に従事する医療スタッフに対して、心身のケアや疲労回復目的に治療を行うことです。本当に大変な医療現場を陰で支えることが鍼灸師に出来ないか、そんな思いから病院の感染対策本部に提案し承諾された『鍼・灸ケア』です。

図:院内のポスター

東京の緊急事態宣言が発令され、重篤な感染者が増加した中、スタッフの疲労を取り、少しでも元気に活動できるよう病院の協力のもと鍼灸ケアを開始しました。院内ポスターの掲示とお灸や症状別ツボの紹介の動画を発信し、治療以外に自宅で行えるセルフケアとして台座灸も指導し、疲労、肩こり、腰痛、下肢のだるさ用のツボの紹介やパンフレットも作成し配布しました。

図:ツボケアのパンフレット

 

治療に来られたCOVID-19感染制御医療スタッフ内訳は、救命ICU、麻酔科、呼吸器、発熱外来などの医師や看護師を含め108名で、肩こり、腰痛、下肢のだるさ、不眠、頭痛、関節痛など多くの症状を有し、全員が3回以上のリピーターとなり継続し満足度も高い傾向でした。

図:自覚する症状

 

COVID-19の感染制御に従事するスタッフはストレスも多く、今回、鍼灸治療を施すことでリラックス効果も実感され、リポーターも多く、心身のケアとして貢献できました。

また、自宅で行うセルフケアのお灸も好評であり、今後、鍼灸が心身の健康を維持・向上させるケアとして認知度が広まればといいなぁと思っています。


鍼灸健康学科開設準備室長 教授 
粕谷大智

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